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    平成18年度食料・農業・農村白書より 




「まじめに農業していても報われない」社会ではいけません。
農作物を安心安全で安定供給するためには、これからの農業をどうすれば
いいのでしょうか。 まず農家の実態を把握し、現状の実態から、これからの
農業政策を見直していく必要があります。

農林水産省の平成18年度食料・農業・農村白書から、
二つのことが見えてきます。
一つは専業農家が非常に少ないということです。
農家は約400万戸、うち経営耕作面積30a以上または農産物販売金額が
年間50万円以上の農家(販売農家)が200万戸、土地持ち非農家が120万戸
あります。また、200万戸の農家のうち、農業だけで生計を立てている主業
農家は、43万戸しかありません。

もう一つは、耕作を放棄した土地が非常に多くあるということです。
耕作放棄地とは、調査日以前1年以上作付けせず、今後数年の間に再び
耕作するはっきりした意思のない土地を言います。
耕作放棄地面積でいえば、17年は38.6万haで、琵琶湖の面積の5.7倍、
耕地面積の8%にまで達しています。

また、耕地放棄地面積割合は、販売農家で40%近く、自給的農家と土地持ち
非農家で60%にもなっており、販売農家の耕地放棄地は、ほとんどが田と畑
であり、87%を占めています。
土地持ち非農家は、農地を転用する予備軍であり、その割合が非常に高い
ことに注意を払う必要があります。
耕作放棄地を有する農家数でいえば、約140万戸で、全農家400万戸の34%
を占めています。
すなわち、3軒に1軒が、耕作放棄地を有する農家です。

農家の実態について、「平成18年度食料・農業・農村白書」からその概要を
みていきます。
○農家とは
 農家とは、経営耕作面積が10a以上の農業を営む世帯または農産物販売
 金額が年間15万円以上ある世帯をいい、販売農家と自給的農家とがあります。
 さらに販売農家は、主業農家、準主業農家、準主業農家、専業農家、
 第1種兼業農家、第2種兼業農家に分類されます。

 農家を大きく分けると次のようになります。
  販売農家:経営耕作面積30a以上
        または農産物販売金額が年間50万円以上の農家   
 主業農家:農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、
        1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満
        の者がいる農家
 準主業農家:農業所得が主(農家所得の50%未満が農業所得)で、
         1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満
         の者がいる農家
 副業的農家:1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満
         の者がいない農家 (主業農家および準主業農家以外の農家)  
 自給的農家:経営耕作面積30a未満
         または農産物販売金額が年間50万円未満の農家

○ 農業所得の変動に左右されやすい主業農家の経済
 17年の主業農家1戸当たりの総所得は、539万円(前年より6%減少)。
 主業農家の所得は農業依存度が高いため、気象災害等に伴う農業所得
 の変動に左右されやすい状況にある。
 一方、同年の主業農家1戸当たりの負債は、405万円であった。
 こうした状況を踏まえ、今後、主業農家をはじめとして、効率的かつ安定的
 な農業経営体の育成・確保が重要である。

 農家の総所得 平成17年  
  主業農家  539万円 うち農業所得414万円(農業依存度91%)  
  準主業農家 605万円 うち農業所得63万円(農業依存度13%)   
  副業的農家 470万円 うち農業所得30万円(農業依存度11%)  

 農家の負債 平成17年 (長期・短期借入金、買掛未払金)  
  主業農家  405万円    
  準主業農家 467万円    
  副業的農家 126万円 

○ 減少傾向が加速しつつある農家戸数
 我が国の農家戸数は、雇用機会の拡大による都市部への農家人口の
 流出や高齢化に伴う離農等により、昭和25年をピークに減少を続けている。
 17年の販売農家は、196.3万戸と10年前(昭和7年)より68.8万戸、
 5年前(昭和12年)より37.3万戸減少している。
 このうち、主業農家と準主業農家は、10年前(昭和7年)より4割減少
 している。

  販売農家戸数 平成17年
   総数     196.3万戸   
   主業農家   42.9万戸   
   準主業農家  44.3万戸   
   副業的農家 109.1万戸 

○ 基幹的農業従事者の減少幅は縮小
 農家世帯員数は、農家戸数と同様に減少傾向にあり、
 17年は837万人と10年前(7年)より30.5%、5年前(12年)より20.0%減少し、
 近年減少幅が拡大している。
 また、農業就業人口は、17年は335万人と10年前(7年)より19.0%、
 5年前(12年)より13.8%減少し、農業世帯員数と同様に減少幅が拡大
 している。
 逆に、基幹的農業従事者数は、昭和60〜7年にかけて5年ごとに
 1割以上の減少が続いていたが、7年以降、減少幅が縮小している。  
 うち65歳以上の従事者が60%近くを占めている。  

  販売農家の世帯員数、就業人口 平成17年
   農家世帯員数  837万人
   農業就業人口  335万人
   基幹的農業従事者数 224万人 うち65歳以上129万人(57.4%)

(注)世帯員:原則として住居と生計をともにする者
    農業就業人口:自営農業のみに従事した者、または自営農業以外の
             仕事に従事していても、年間労働日数でみて自営農業
             が多い者
   基幹的農業従事者:自営農業に主として従事した世帯員
                (農業就業人口)のうち、ふだんの主な状態が
                「主に仕事(農業)」である者

○ 減少する耕地面積
 我が国の耕地面積は、長期的に減少傾向が続いており、 
 18年は467万haとなった。
 耕作放棄が、耕地面積減少の大きな要因となっている。
 米の生産調整による不作付け地の増加や労働力事情等により、
 作付延べ面積は長期的に減少傾向にあり、耕地利用率は、
 12年以降はほぼ横ばい傾向で推移しており、17年は93%である。
 耕地利用率=作付延べ面積/耕地面積×100

○ 増加する耕作放棄地
 耕作放棄地とは、「農林水産省の統計調査における区分であり、調査日
 以前1年以上作付けせず、今後数年の間に再び耕作するはっきりした意思
 のない土地をいう。
 なお、これに対して、調査日以前1年以上作付けしなかったが、
 今後数年の間に再び耕作する意思のある土地は不作付け地といわれ、
 経営耕地に含まれる。」とある。

 17年の耕作放棄地面積は、12年の34.3万haより4.3万ha(13%)増加し
 38.6万haとなった。 耕作放棄地面積は琵琶湖の面積の5.7倍、耕地面積の
 8%にまで達している。
 土地持ち非農家の耕作放棄地面積は、販売農家の耕作放棄地面積を
 上回っている。

  農家の耕作放棄地面積と耕作放棄地面積に対する割合 平成17年 
    販売農家      14.4万ha(37.4%)
    自給的農家     7.9万ha(20.5%)
    土地持ち非農家 16.2万ha(42.1%)
       計       38.6万ha(100%)

  *土地持ち非農家は、農家以外で、耕地および耕作放棄地を
    5アール以上所有している世帯。

 販売農家の耕地放棄地面積14.4万haの内訳は、田が6.3万ha(44.0%)、
 畑が6.3万ha(43.3%)、樹園地1.8万ha(12.7%)である。
 農家などの区分別にみると、近年は、販売農家の耕作放棄地面積が
 減少している一方、土地持ち非農家や自給的農家の耕作放棄地面積が
 大きく増加している。

○ 耕作放棄地をもつ土地持ち非農家や自給的農家の増加
 販売農家戸数が減少し続けているのに対し、
 土地持ち非農家戸数は増加し続けており、
 17年には、120万戸(12年より9.5%増、
 販売農家戸数の6割)にまで達している。
 土地持ち非農家のうち耕作放棄地をもつのは46.1%であり、
 販売農家の26.3%よりも大幅に高い。
 また、自給的農家戸数も増加し続けており、
 17年には88万戸(12年より12.9%増)となり、
 耕作放棄地をもつ割合も上昇して35.2%となっている

  区分別農家数と全農家に対する割合 平成17年 
   販売農家     196万戸(48.5%)
   自給的農家     88万戸(21.8%)
   土地持ち非農家  120万戸(29.7%)
      計        405万戸(100%)

  耕作放棄地を有する農家数と区分別農家数に対する割合 平成17年
    販売農家     52万戸(26.3%)
    自給的農家    31万戸(35.2%)
    土地持ち非農家  55万戸(46.1%)   
      計        138万戸

○ 農地利用集積の阻害要因
 土地利用問題についての市町村へのアンケート調査で、
 「耕作放棄の増加」の次に「虫食い的な開発の進行」があげられており、
 担い手へまとまりのある形での農地利用集積を阻害していると考えられる。

  


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